水道水について調べていたら、二人の専門家の意見を見つけました。
・一人は水道水推奨派の安井至さん。
・もう一人は天然水推奨派の藤田紘一郎さんです。
私は安井至さんの主張をこちらの記事で拝見しました。
そして藤田紘一郎さんの主張は「体をつくる水、壊す水」という本を購入して読みました。
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本書の35~39ページと95~99ページは、特に水道水に特化したことが書いてあります。
そして重要なのは、二人の主張はまったくの対極にあるという点です。
水道水推奨派の安井至さんは「水道水は安全な水」と主張し、天然水推奨派の藤田紘一郎さんは「水道水は体を壊す水」と主張しています。
実際のところどうなのか?二人の意見を参考に、私が水道水について調べたことをご覧ください。
水道水に含まれる発がん性物質のトリハロメタンについて
まず始めに私が水道水について調べていて一番気になったのが、塩素が水道水を消毒する過程で、発がん性が疑われているトリハロメタンを生成するという点です。
私はこれを知ったときは「水道水に何を入れているんだ?」とギョッとしました。
しかし水道水推奨派の安井至さんの意見を見るこのようになっています。
昔は上下水の処理技術が未熟だったため、水道水にトリハロメタンが多く含まれていました。原水が汚染されており、浄水技術が未熟で大量の塩素を添加した場合には、トリハロメタンが多く生成されるのです。
ですが現在はオゾン滅菌などの技術を備えた高度浄水設備の導入で、トリハロメタンは相当低減しました。完全にゼロではありませんが、体に害があるような量が含まれているということは全くありません。
たしかに昔は酷かったようですが、今はトリハロメタンが減っているということです。
しかし減っているとはいえ、疑わしい物質であることには変わりありません。
そこでまずはこのトリハロメタンという物質が、どの程度の危険性があるのか調べてみました。
トリハロメタンは本当に危険なのか?
参考にしたのはこちら 総トリハロメタン – Wikipedia
健康への影響
総トリハロメタンは発癌性や催奇形性が疑われており、特に水道水中の総トリハロメタンが環境汚染物質として取り上げられることが多い。クロロホルムに関しては肝障害や腎障害を引き起こすことが知られている。発癌性
総トリハロメタンのうちクロロホルムおよびブロモジクロロメタンについてはIARC(国際がん研究機関)においてGroup 2B(発癌性があるかもしれない物質)として勧告されているが、同じGroup 2Bにはコーヒーや漬物も分類されている。またクロロジフルオロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムについてはGroup 3(発癌性を分類できない物質)に分類されている。
たしかに健康には決してよくなさそうな物質のようです。
発がん性があるのか?という部分だけを見るとやや疑問に感じます。コーヒーや漬物と同じ分類に分けられているのであれば、一般的に考えれば問題がないように思えます。
あまり体に良さそうな物質ではないことは分かったので、今度はこの物質がどの程度、水道水に含まれているのか調べてみました。
水道水にはトリハロメタンがどの程度含まれるのか?
厚生労働省が省令で定めた浄水における水質基準のうち、トリハロメタンに関する項目を以下の通りです。
- クロロホルム – 0.06 mg/L
- ジブロモクロロメタン – 0.1 mg/L
- ブロモジクロロメタン – 0.03 mg/L
- ブロモホルム – 0.09 mg/L
- 総トリハロメタン – 0.1 mg/L
1g=1000mgなので、1gの千分の一でやっと1mgです。それを考えると水道水からはとても微量な量しか摂取できないことが分かります。1リットルの水道水にこれ以下でしか入ってないのですからね。
それとトリハロメタンは煮沸すると一時的に増加することは広く知られています。しかし増加するという点ばかり強調されていますが、これしか含まれていないので、増えたとしてもごくごく微量であることはあまり知られていません。
また3分以上トリハロメタンを煮沸すると半減、10分以上でほとんど消滅します。そのため米を炊いたり、炒め物などの調理をする場合は、ほぼ気にしなくて良いレベルといえます。
これならば普通に生活する上で摂取している量の方が明らかに多いです。
一般生活でのトリハロメタン摂取量
下記の資料は、一般的な生活を送っている状態で摂取している、トリハロメタンの参考値になると思います。
参考資料:食品経由によるトリハロメタンの一日摂取量より
トリハロメタンは水道水に限らず大気、食品などを介し相当量を摂取していると考えられている。 米国環境保護庁(EPA)によればヒトのクロロホルムの年間摂取量は93mgに達し、食品からも9mgを摂取しているとされている。
水道水に含まれるトリハロメタンについての結論
水道水について調べましたが、様々な資料をじっくり見た私の判断は、結論として水道水に含まれるトリハロメタンは、極微量なので脅威には感じないというものでした。
浄水器メーカーなどの宣伝活動が煽り過ぎて、間違った認識が広まったのでは?と考えられます。
水道水vs天然水について
水道水に含まれる物質にそれほど危険性がないと分かったのですが、だからと言って水道水が体に良いかは別問題だと思います。
水道水推奨派の安井至さんはこのように話します。
まずは安全面についてお話しましょう。
蛇口から出る水は浄水場で作られ、国が定めた安全基準をクリアしたものだけが水道管を通って各家庭まで届いています。この安全基準は、ヒ素、フッ素、ホウ素、亜鉛、マンガン等などについて、それぞれ含有量が一定基準以下でなければいけないと定められています。同じように市販されているミネラルウォーターにも安全基準があるのですが、この2つを比較した場合、ミネラルウォーターのほうが基準がはるかにゆるいのです。
例えばフッ素は2.5倍、マンガンは4倍、ヒ素、ホウ素、亜鉛などは約5倍もの基準になっており、水道水の方が基準がゆるくなっている項目は一つもありません。ですから、水道水の方が安全性が高いといえるでしょう。
この説明を何も知らない方が見たら「水道水の方が良さそうだ」と感じると思います。
しかし私はこれについて疑問を抱きました。なぜなら天然水推奨派の藤田紘一郎さんは「水道水は体を壊す水」と主張していており、その理由に私はある程度納得がいったからです。
簡潔にまとめると【腸】は人体で最大の免疫器官ということに帰結します。驚くかもしれませんが人体の7割の免疫は、腸が築いているそうです。つまり腸を健康に保つことが、健康状態を良好に保つ秘訣ということになります。
しかし日本の水道水に含まれる塩素は、腸の細菌も殺菌してしまいます。
腸内の細菌が減れば免疫機能は低下します。腸内細菌は病気や老化を防ぎ、健康に生活するためには必要不可欠な存在です。
日本の水道水は世界一安全と言われてますが、捉え方を変えると世界一消毒をしているともいえます。
そしてこの水がたまに摂取するものであれば、そこまで気にしなくても良いと思うのですが、人体の60%は水分でできているため、毎日の水分補給が欠かせません。
逆に天然水には腸を健全に保つ為の、カルシウムやマグネシウムなどの成分が豊富に含まれています。
このことから、藤田紘一郎さんの「水道水は体を壊す水」という主張が納得いきました。
ちなみに私の文章力では、天然水推奨派の藤田紘一郎さんの主張がうまく伝えられていないと思います。
藤田紘一郎さん著書の「体をつくる水、壊す水」は水のことを深く考えさせられる内容となっていますので、一度読んでみることをおすすめします。
まとめ
私の結論は「水道水は安全ではあるが体には良くない」というものでした。
今後の自分の人生を健康に生きたい私は「水道水はお金がほとんどかからなくていいけど、それでも可能な限り天然水を飲み続けたいな」と思いました。
毎日続けることは結局その後の自分に返ってきます。それは今までの人生でよく分かっているので、あまり妥協せず無理のない範囲で天然水を飲もうと思います。